よくいただく質問
全般的な質問
歯並びはなぜ治さなくてはならないのですか?
必ず治さなくてはならないという病気ではありませんが、歯並びの悪さは様々な影響を与えます。歯並びを治すことにより、歯磨きがしやすくなり、虫歯予防や歯周病の予防が可能となります。また、噛み合わせを改善することで、顎関節症等の予防になります。加えて、審美的に美しくなり、笑顔に自信がつきます。
矯正治療中の歯磨きの仕方の注意点は?
とにかく時間をかけ、歯全体に歯ブラシを当てる必要があります。最低10分から15分は磨いてください。注意点としましては、やや小ぶりな歯ブラシを使い、毛先を確実に矯正装置のワイヤーの下に届かせる必要があります。歯ブラシだけでなく毛先が細く一束になっているものや、歯間ブラシ等を工夫して用います。超音波歯ブラシも有効なようです。患者さまの装置に合った歯磨きの仕方をご指導いたします。
矯正治療は痛いのですか?
歯の動きはじめに通常痛みをともないます。痛みは個人差があるようで、全く痛くないという言う方もいれば、何も食べることができないという方もいます。ただ、この痛みはずっと続くわけではなく、装置をつけて2日目くらいがピークで、1週間は続かないようです。2回目からの来院からは最初ほど痛みはありません。また、装置の違和感に慣れるのには2週間ほどかかり、この間口内炎等の痛みをともなうことがあります。ただ、装置には必ず慣れるものですし、なるべく痛みを軽減するような治療法を心がけております。
治療期間はどのくらいかかりますか?
通常、ワイヤーをつけてから1年半から2年半程度かかります。歯は力刺激を受けて骨が改造現象をおこすことによって移動しますので、効果的な治療にはある程度の期間は必要となります。また、きれいに並んだ後も歯はもとの状態に戻ろうとしますので、歯並びが改善された後も、保定(ほてい)装置を用いて歯を安定させる必要があります。
保険は使えますか?
現在の保険制度では、唇顎口蓋裂および外科治療を前提とした患者さまに関する矯正治療に関しては保険が適用となります。
フッ素入りはみがきは効果があるのでしょうか?害はないのでしょうか?
フッ素は虫歯にたいへん効果があることが世界レベルの調査で分かっています。また、フッ素を大量に摂取すると腎臓疾患や甲状腺障害をおこすと言われていますが、歯磨き剤に含まれるフッ素は大変微量ですので、その弊害を考える必要はないと考えられます。
子どもの矯正に関する質問
子供の矯正は何歳くらいから始めるのがいいの?
小児矯正を始めるのに最適な時期はそのお子様の成長の様子によります。
あごのコントロールについては、成長のピークが過ぎてからでは骨格の伸びが期待できないので、ピークになる前に始めることが鉄則です。
治療期間はどれくらいかかるの?
治療期間はそう長くはなく、短ければ3、4ヶ月から半年くらいで終了するケースもあります。治療間隔は、2、3ヶ月に1回程度なので、あまり負担はないと思います。
歯並びは遺伝するの?
歯並びが悪くなる要因として、先天的なものと後天的なものが考えられます。先天的なものとしては遺伝因子が、後天的なものとしては環境因子(出生後の影響)が主なものと考えられています。遺伝の影響は歯の大きさや骨格形態に大きくあらわれ、これをコントロールすることは大変難しいと言われています。そこで、矯正治療は悪い環境因子を改善し、本来持っている成長力をより良い方向に導くことを主な目的としています。
子供の頃の食事や癖が影響するのでしょうか?
これは上述の環境因子の代表例と思われます。昔に比べ、柔らかい食べ物が多くなったことにより顎の大きさが小さくなっていると言われています。それに対し歯の大きさはあまり変化しないために歯が並びきらず、歯並びが悪くなっています。当然、親知らずの生える場所もない人が多いのです。悪習癖の代表格としては、指しゃぶりがあります。その他にも唇や舌を噛む癖も歯並びには悪い影響を与えます。
前歯が1本だけ反対です。
程度によりますが、早めに改善した方が良いと思います。顎の動きは前歯や犬歯など前方の歯で誘導されていますので、前歯が1本だけ反対ですと、顎の動きが不自然になり、成長期のこどもの本来もっている成長を妨げることになります。ケースによっては装置を用いなくてもご自分でへら等を使って改善することも可能です。
永久歯がまだ生え揃っていませんが、治療は可能ですか?
骨格的な問題(受け口、上顎前突、顔の曲がり等)がなければ、まだ矯正治療を行うには早いと思われます。ただ、骨格的な問題がなくとも、永久歯が生えるスペースが足りないと予想される場合には歯が生える骨の部分を拡大することもあり、これは永久歯が生え揃う前が良いと思います。基本的には装置を装着する期間は極力短くなるように治療計画をたてます。
歯が骨の中に埋まっていて生えてきません。
生える方向に問題がなければ、上にかぶさっている歯肉を少しカットしたり、骨を削除することによって出てくる場合が多いようです。ただ、何らかの原因で歯の生える方向に問題がある時には埋まっている歯に矯正装置をつけ、骨の中から徐々に引っ張り出すようにします。こうすることによって歯を生きたまま、もとの位置に誘導することができます。歯の生える方向が変化する要因としては、小さい時に口元をぶつけ、歯胚(歯の芽)の位置に異常が起きたこと等が考えられます。
成人矯正に関する質問
噛み合せが悪いと頭痛や肩こりの原因になるのですか?
噛み合せが悪いと左右均等にしっかりと咬むことが出来ないため、食べ物を噛むために使う筋肉や頭部を支える筋肉の活動のバランスが悪く、筋肉に負担をかけることがあります。このようなことから、噛み合わせの悪さが頭痛や肩こりの原因になる場合もございます。ただ、頭痛や肩こりの改善のためだけに矯正治療を行うことはお勧めしません。
仕事をしているので矯正器具が目立つのが嫌です。
成人矯正の場合はお仕事をしながら矯正治療される方が大半だと思います。
目立たない矯正を優先するのであれば、裏側矯正が一番です。ただ、舌側に装置をつけるため、慣れるまでに時間がかかるというデメリットもあります。また、透明なマウスピース矯正という方法もございます。表につける装置も最近はプラスチックやセラミックなど、審美的に優れたものが開発されており、昔ほど目立たなくなってきています。
口元をきれいにしたいのですが・・・
口元を下げたいというご趣旨であれば、歯や骨を移動することにより、口唇の形が修正され、見た目がすっきりとしてくる症例は過去にも色々とございます。一度ご相談ください。
笑った時に歯茎が見えるのが嫌で、必ず手で押さえてしまいます。
上顎の骨に前歯を押し込むような力を加えることによって上顎の骨が変形しますので、改善は可能です。ただ、この力はお口の外から加えるために、患者さまのご協力が必要です。また、歯が短くなるのではと聞かれますが、骨が変形することによって歯の大きさは変わりませんのでご安心ください。
歯周病の治療のために矯正治療をするのですか?
歯周病の原因には全身的なものと局所的なものがあります。局所的なものはプラークが原因の炎症と咬み合わせ異常に大きく分けられます。矯正治療を行うことで咬み合わせが改善され、また歯列が整うことにより歯磨きがしやすくなり、矯正治療は歯周病の治療のために大変有効な手段となっています。当院でも、健康志向とあいまって、矯正治療とは無縁であった世代の歯周病関連の患者さまが増えてきています。
歯周病で失われた骨はもうできないのですか?
プラークや歯石の除去等、完全な歯周コントロールが出来ている環境下では、咬み合わせを改善することにより、失われた歯槽骨が回復してくる様子が見られます。歯周病は慢性疾患で自然に回復してくることはあまりありませんので、歯を失う前に積極的な治療をお勧めします。
最近、前歯が前に動いてすきっ歯になってしまい、見た目が気になります。
歯槽骨が吸収し歯の支持組織が弱くなり、下の歯が上の歯を押す力に抵抗できなくなってすきっ歯になってしまったと思われます。症例にもよりますが、改善は可能と思われます。しかし、再発を防ぐために保定という歯を固定する装置を長期間用いていただく必要があります。
舌側矯正に関する質問
裏側からの治療は特別の治療なのですか?なぜ、治療費が高いのですか?
歯に力を加えて移動させるという意味では、表側の矯正も舌側の矯正も同じです。ただ、歯の裏側に矯正装置(ブラケット)をつけようとすると、どうしても装置間の間隔が短くなってしまいます。舌側からの装置の場合、歯のガタガタが同じ程度であっても、歯に針金から加わる力は数倍にもなります。また、舌側の矯正は装置が見えにくいそのため、舌側矯正は、表側矯正とくらべて手間がかかること、矯正装置のコストが割高であることから、表側の矯正とくらべて高く設定されることが多いです。